見えない裏側矯正のデメリット

Posted on 5月 12, 2015 in 裏側矯正

裏側矯正のデメリットについて

「見えない裏側矯正」にはメリットがたくさんありますが、デメリットもあります。一般的にデメリットと思われている内容について、詳しく分かりやすく説明します。

裏側矯正

1.治療期間

治療期間は歯科医師や技工士の熟練度によってまったく変ってきます。 裏側からの治療では歯の裏側の構造であるため、一人一人に完全にオーダーメイドに装置を作る必要があります。

また、歯の動き方がデリケートな為に表側矯正と同じような感覚で歯に力を加えると予期せぬ動きをする事が多々あります。その為に出来る限り弱い力で治療を行っていかなければいけません。

裏側矯正では、治療経験が少なく、表側矯正の感覚で治療を行った場合に予期せぬ反作用を受けてその修正のために治療期間が長くなってしまうこともあります。しかし、裏側からの治療を多く行っている矯正歯科医であれば、表側矯正と同じ程度の治療期間で治療することが可能です。

2.発音

歯の裏側に装置をつけると一時的に発音がしにくくなります。
これは院長自身が装置を付け治療をした経験から、装置が阻害して発音がしにくいというよりは舌が慣れてなくて装置を避けようと不自然な動きをして話しにくくなってしまうのです。

2週間程経つと装置があることに舌が慣れて、ほぼ自然な動きができるようになり、ほとんど問題がなくなってきます。また、我々のクリニックではできる限り小型の装置を使い、セットも上下分けて行うなどをして徐々に慣れていただくように取組んでいます。

3.食事

食事については、上の前歯の裏側に装置をつけるので、装置が当たって奥歯が咬めなくなっていまう方は食べにくくなります。(下写真:前歯の噛み合せが少し深いので上の裏側に装置を着けると奥歯が咬まなくなってしまう状態)

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この場合、赤い矢印のように上の裏側に着けたところ奥歯や前歯が当たらなくなってしまい、その場合は、青い矢印が示しているように奥歯に一時的に咬む面(咬合挙上用のレジンを盛ります)を作り食べれるようにします。(右下写真:矢印が奥歯に咬む面をレジンで作った様子)

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歯が動いてくるにつれて下の写真のように奥歯や前歯は段々と咬んでいきます。
経過するにつれて矢印のレジンを削合していきます。そうすることによって段々と咬む面が増えてきます。そして、装着面のように咬めるようになります。

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最終的にはレジンがなくてもしっかりと咬めるようになります。奥歯にレジンを盛って食事がしにくくなるのではと心配する方も多いですが、ほとんどの方は2週間くらいで気にならなくなります。
この方法のよいことは、
・噛合せが上るので顎関節への負担が減ってスプリントのような効果が得られる。
・上下の歯の干渉が減るので歯の移動が早くなる。
などがあります。

また、矯正治療中は特に食べてはいけないものなどはありませんが、ガムなどは装置にくっつきやすいので避けた方がよいです。そして、せんべいなどの固いものも装置が外れてしまう原因になるので小さくして食べるなどの工夫が必要です。

上記のように「見えない裏側矯正」にもいくつかのデメリットがあります。正直に言って治療期間中まったく快適に過ごせるわけではありません。裏側矯正を行っていくには、患者さんの努力も必要で歯科医師と一緒に治していく心構えが特に大事になります。

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